
診療案内
腫瘍内科は、進行悪性腫瘍の患者さんを対象としたがん薬物療法を担当しています。外来診療は東病棟4階で、入院診療は西病棟16階の26床で行っています(R7年4月現在)。多くの患者さんのがん薬物療法は東病棟4階の化学療法センターで通院治療として行われています。
新患受付をされた患者さんは、病歴聴取、診察を受け、必要な検査が予定されます。その後、症例検討会で治療方針が議論され、治療計画が立てられます。その際に、がん薬物療法だけでなく、放射線治療や外科治療を組み合わせた集学的な治療を提案する場合もあります。また、状態、検査データ、患者さんの希望などから、がん薬物療法の適応とならない場合には、緩和医療への橋渡しを行います。がん薬物療法では、様々な副作用が生じることがありますが、治療薬によって副作用の種類や頻度が異なります。副作用と治療効果に関しての十分な説明を受け、それにもとづいた同意をいただいて、治療を開始します。がん薬物療法は継続が必要な治療です。副作用の評価とともに、一定期間で効果を評価し、継続あるいは治療法変更を検討していきます。がん患者さんの不安を取り除き、最期まで希望を持ち続けられる医療を提供します。
対象疾患
私たちが担当している主な対象疾患はこちらです。
専門医によるがん薬物療法
東北大学病院は日本臨床腫瘍学会の研修認定施設となっており、腫瘍内科には日本臨床腫瘍学会専門医であるがん薬物療法専門医が多数在籍しています。がん薬物療法では、科学的に検証された最も効果的な治療法である「標準治療」の実践を基本方針としています。また、患者さんの体調やご希望に配慮しつつ、治療に伴う副作用の特徴を丁寧に説明した上で、各患者さんにとって最善の治療法を共に決定するサポートを行います。私たちは、世界のがん医療をリードする腫瘍内科を目指しています。その一環として、新規治療薬や治療法の開発を目的とした治験や臨床試験に積極的に参加しており、これらの取り組みは新しい標準治療の確立に貢献しています。
また、2019年に、がん遺伝子パネル検査が国内で承認されました。この検査により個々のがんの遺伝子異常に基づいた治療提案や治験を受けられる可能性があります。がん遺伝子パネル検査も腫瘍内科外来で実施可能です。
症例カンファレンス
腫瘍内科では、新患の症例あるいは治療継続中に治療法の見直しが必要な症例を、毎週行われる症例検討会に提出し、多くのがん薬物療法専門医を含む医局員全員で治療法を検討しています。これにより客観的に標準治療を実践すること、また少しでも状況を改善する方法を考えていくことができます。さらに、大腸がん、胃がん、食道がん、頭頸部がん、希少がん・難治がんを対象としたがん診療に携わる様々な診療科が集まって行う症例検討会(キャンサーボード)が定期開催されており、薬物療法、外科治療、放射線治療など集学的な治療を考える場となっています。

病名告知について
がん薬物療法は、副作用を伴う治療です。一方でその効果は、全例に十分な効果が見出されるものではなく、副作用と効果のバランスの上に成り立つ治療です。患者さんがご自分の病気や治療に関して充分理解し、納得しながら進めていく治療です。したがって、当科では全ての患者さんに病名・病状を告知の上、診療を行っております。告知はがん薬物療法を行う上での必要条件といえます。
セカンドオピニオン
東北大学病院では、セカンドオピニオン外来が開設されております。ご自分、ご家族、友人等のがんの治療に関して疑問があるときは遠慮なく相談においで下さい(詳細につきましては東北大学病院のホームページのセカンドオピニオン外来をご参考に、または東北大学病院医事課内のセカンドオピニオン外来専用受付(022-717-7131)にお問い合わせください)。