東北大学病院 腫瘍内科|東北大学大学院医学系研究科・医学部

後期研修

研修内容

当医局では、臨床研修と研究活動の両立を重視し、高度な専門性を持つ腫瘍内科医を育成するためのプログラムを提供しています。本プログラムでは、がん薬物療法に関する最先端の知識・技術を習得するとともに、研究を通じて医学の発展に貢献できる医師の育成を目指します。臨床現場に根ざしながらも、常に研究者としての視点を持ち続け、科学的思考に基づいた診療を実践できることを重視しています。

「BedからBenchへ、BenchからBedへ」の理念のもと、臨床と基礎研究を行き来しながら、新たな治療法の開発やエビデンスの創出に貢献できる人材を育成します。原則として大学院に入学し、5年間の研修を行います(学費は4年分)。この期間を通じて、臨床と研究の両面での成長を促し、地域に根ざしながらも世界と競争できる医師・研究者を育てます。

また、若手医師の積極的な学会参加を奨励し、国際学会への参加については医局からの補助も行います。国内外の研究者と交流し、常に新たな知見を取り入れながら、自らの研究を発展させる機会を提供します。

研修修了後に取得可能な資格

  • 総合内科専門医(日本内科学会)
  • がん薬物療法専門医(日本臨床腫瘍学会)
  • がん治療認定医(日本がん治療認定医機構)
  • 医学博士(学位取得)

研修スケジュール

年目
関連施設研修
  • 宮城県内の関連施設(主に大崎市民病院、石巻赤十字病院)にて外来、病棟、救急研修を行う。
  • 消化器がん(食道、胃、胆膵、大腸)を中心に、上級医指導のもとがん薬物療法の基本を学び、主要な抗がん剤・分子標的薬・免疫チェックポイント阻害剤の作用機序・投与管理を習得する。
  • 東北大学で毎週開催されるエキスパートパネルに各施設から参加し、がん遺伝子パネル検査の結果の読み解き方を実践的に学び、個別化医療の基礎を習得する。
年目
大学病院研修
  • 消化器がん、頭頸部がん、肉腫、原発不明がん、治験症例の病棟管理を行う。
  • 各専門科(血液内科・呼吸器内科・放射線治療科・緩和医療科)をローテートし、専門医取得に必要な経験を積む。
  • 遺伝子パネル検査の結果に基づく個別化医療を実践し、治療方針の決定から実施までを経験する。
  • 臨床データ解析を行い、学会発表・論文投稿を行う。

習得可能手技
(上級医サポートの元で取得)

  • 末梢挿入型中心静脈カテーテル、CVポート作成
  • 腹腔穿刺、胸腔穿刺
年目
基礎研究・学位取得
  • 標的治療とバイオマーカー、腫瘍免疫、マルチオミックス解析などのin vitro, in vivo研究を担当教員の指導のもと進める。
  • 定期的に研究カンファレンスで進捗報告を行いながらフィードバックを受け、医学博士を取得する。
  • 基礎研究論文1編以上の学会発表・論文投稿を行う。

習得可能技術

  • 分子生物学的解析
    (PCR、Western blot、NGS解析 など)
  • 細胞培養技術、薬剤感受性試験
  • マウスモデルを用いたin vivo実験
  • フローサイトメトリー(FACS)を用いた免疫細胞解析
  • データ解析(バイオインフォマティクス、統計解析)
研修修了後の進路
  • 大学病院・関連病院の専門医・指導医
  • 国内外の研究機関・製薬企業の研究職
  • 治験・臨床試験に携わる医師

関連施設

大崎市民病院

https://www.h-osaki.jp
対象疾患
大腸がん、胃がん、食道がん、膵がん、胆道がん、頭頸部がん、原発不明がん、神経内分泌がん、GIST、肛門管がん、小腸がん、粘膜悪性黒色腫、甲状腺がん など
外来
週1〜2回
病棟
5〜10人程度の受け持ち
習得可能手技
PICC挿入、CVポート挿入(年間90〜100件程度)、腹水穿刺、胸水穿刺
学会参加
全国学会 年2回程度 / 地方会 年1回程度
消化器がんを中心に幅広い症例を経験でき、地域中核病院としてフレイルな患者さんに対する緩和的化学療法や支持療法、社会的支援など全人的医療を学ぶことができます。また治験にも参加しており最新の治療にも触れられます。地域医療の現場での経験を通じて、あなたの成長をサポートします。
対象疾患
消化器がん、頭頸部がん、肉腫、希少がんを中心とした研修。治療困難例に関しては、婦人科がん・肺がんなどの診療も行う。
外来
週1回
病棟
10〜15人程度の受け持ち / ER研修は準夜帯のウォークイン対応のみ(希望があれば救急車当番も可)
習得可能手技
PICC、CVポート、胸腔穿刺、腹腔穿刺
学会参加
臨床腫瘍学会、癌治療学会(年2回) / 希望に応じて緩和医療学会、がんサポーティブケア学会、胃癌学会など
救急病院ならではの強力なバックアップの下、緊急時も安心できる環境でがんゲノム医療から緩和ケアまで幅広く学び、腫瘍内科医としての総合力を実践的に磨ける研修です。

仙台医療センター

https://nsmc.hosp.go.jp
対象疾患
消化器がん、乳がん、肺がん、頭頚部がん、原発不明がん、希少がん
外来
週1回(5〜10人程度)
病棟
グループ診療(総数10〜15名程度) / 当直・日直:常勤 月1回、専攻医 3〜4回
習得可能手技
腹腔穿刺、胸腔穿刺、CVポート造設、腹部エコー、CTガイド生検(他科連携)
学会参加
病院負担(演者で年1回) / 自費(年休利用、年2〜3回程度)
①交通の便は良好 仙台駅から仙石線で2駅、宮城野原駅前に立地、楽天球場近く
②時間外・休日は完全当番制(指導医に相談可能)
③内科専門医、がん薬物療法専門医研修可能
④日当直は一般救急疾患の対応 他科のバックアップあり
⑤国立病院機構の主催する研修参加可能(例:臨床研修医指導者講習会 等)
対象疾患
消化器がん、原発不明がん、希少がん、肉腫、ゲノム診療
外来
週1回(20〜30人)
病棟
5〜10人程度の受け持ち
習得可能手技
CVポート造設、PICC留置、腹腔穿刺、胸腔穿刺、治験・臨床試験
学会参加
日本臨床腫瘍学会、癌治療学会、内科学会(年1〜2回)、英文論文(症例報告など)
消化器がん、原発不明がん、希少がん、肉腫、ゲノム診療を中心に診療しており、がん治療認定医、がん薬物療法専門医の取得にむけた研修が可能です。治験・臨床試験の経験も積むことができます。
対象疾患
消化器がん(胃がん、大腸がん、膵がん、胆道がん、食道がん など)
外来
毎日
病棟
入院は紹介元診療科(消化器内科・消化器外科)が担当するが、入院症例の診療も可能
習得可能手技
腹腔穿刺、胸腔穿刺、CV・PICC挿入
学会参加
年1〜2回
消化器癌の症例数は県内でもトップクラスであり、多くの診療経験を積むことができます。総合病院ではありませんが、コンパクトな病院であることから、他科との連携が非常にスムーズでフットワークの軽い診療環境が魅力です。
対象疾患
消化器がん、乳がん、悪性リンパ腫、原発不明がん、ゲノム診療、地域連携がん診療
外来
週1〜2回
病棟
5~10人程度の受け持ち
当直(月2~3回)
習得可能手技
胸腔ドレナージ、胸腔穿刺、腹腔穿刺、臨床研究症例多数
消化器がん(50%)、乳がん(30%)、悪性リンパ腫(10%)など幅広い症例を通じてcommunity
medical oncologistのスキルを身につけることが可能です。また緩和ケアチームや地域の往診医と連携しての早期緩和ケアにも積極的に取り組んでいます。

教育担当主任 今井 源
E-mail:
hiroo.imai.d8(at-mark)tohoku.ac.jp
Tel 022-717-8547 /
Fax 022-717-8548